始まりから、タマサイの世界にどっぷりとはまりました - 星川淳 INNERNET WORKS

始まりから、タマサイの世界にどっぷりとはまりました

遠藤裕未(種子島「なかわり生姜山農園」理事/元ピースボートスタッフ)

 

始まりから、タマサイの世界にどっぷりとはまりました。

 

「鉄砲」は武器であり、人を殺すことのできる道具であるという事実。

 

皆が知っていながら、「鉄砲伝来の地」ということを捉える時の島の暢気さというか、おおらかさというのは、時に島の良さでもあるとも言えますが、功績を讃えるだけの扱いをしている郷土の空気感に、日頃から違和感を覚えていました。

 

当時の種子島で、鉄砲を製造できた背景には、原料となる砂鉄が豊富だったことはもちろん、今にも継承が途絶えそうな伝統的な鍛冶技術があったからです。

 

伝統技術は守りながらも、「鉄砲」が使用されない世界を目指そうという発信が、「鉄砲伝来の地」だからこそできたらいいなと漠然と考えていました。

 

そんな時に、小説を通して、時空を超えた旅に興奮しながら、何もできていなかった自分を改めて直視させられ、胸を痛めながら読み進めました。

 

様々なことや人を思い出し、この本を送りたい人たちの顔がたくさん浮かびます!

 

読み終えたあとは、とても深い感動と、魂の旅を追体験させて頂いた興奮に感謝するとともに、このような作品を書き上げた星川さんに、改めて敬意を表します。

 

様々な問題を抱える今の社会だからこそ、タマサイの放つ世界に、多くの人が触れて欲しいと思います。

 

 

レビュー