SF(ソウルフィクション)というジャンルができちゃうかも - 星川淳 INNERNET WORKS

SF(ソウルフィクション)というジャンルができちゃうかも

内山 隆(NPO法人Soul Workひごったま代表理事)

 

すっごく面白かった! 傑作です。

 

前作『ベーリンジアの記憶』の続編というか、独立して読めるので姉妹編のような感じです。前作がディープに神話世界にトリップするものとすれば、今作は、多次元のソウル(魂)ジャーニー。

 

現代、大航海時代、氷河期、鉄砲、シャーマン、トルコ石、船、杉、太平洋、黒潮……(ネタバレしない方がいいのかな)

複数の時間、多彩な場所空間、多様な視点を経ながら、神話と現実、近代とシャーマニック、科学と幻視が入り乱れながら話が進んでいきます。

これは実際にあった!と思えるようなリアリティで、まるで口承詩を聞いているかのように描かれます。主人公たちは運命に翻弄され、苦しみ、恋し、歓び、人間臭く、また同時に神聖でもあります。

 

多次元の物語空間と、そこで必死に生きる主人公たちから浮かび上がってくるのは、時空を超えて紡がれる命の営み。人も自然も惑星も、善も悪(弱さ)も生も死も、一緒に奏でる大いなる魂の歌。まさにタマシイのイロドリ。

そして改めて今の自分がどう生きるかを問い直される。

 

予想できない展開の嵐ですが、好奇心を掻きたてられながらどんどん読み進みました。

このジャーニー、たくさんの人に体験してほしいです!

 

P.S.
これからはSF(ソウルフィクション)というジャンルができちゃうかも~。

 

 

レビュー